頭痛とは

原因となる病気がないのに、頭痛を繰り返す一次性頭痛(慢性頭痛)と、脳疾患や高血圧・糖尿病などの慢性疾患が引き金となって引き起こす二次性頭痛があります。一次性頭痛(片頭痛・緊張性頭痛・群発頭痛)は日常生活の疲れやストレス・姿勢不良、アルコールや血管拡張薬(血圧を下げる薬)によるものなどが原因と言われています。二次性頭痛は頭部外傷や動脈硬化による脳血管障害により、脳の血管が破れ・詰まることで起こる頭痛などがあります。この場合は、すぐに治療をしなければ命に関わる危険性が高いため早めの受診が必要になります。
頭痛の主な疾患と随伴症状について
一次性頭痛(慢性頭痛)
普段感じる頭痛の多くは、他に原因となる病気がないのに頭痛を繰り返す慢性頭痛を一次性頭痛といいます。 ここで重要なのは、二次性頭痛ではないことの鑑別です。
頭痛を起こす主な病気の原因・症状
<片頭痛>
原因
ストレス…精神的緊張や睡眠不足・寝過ぎなどの精神的ストレス、疲労感などの身体的ストレスで発症する。
女性ホルモンの影響…月経などによるホルモンバランスの崩れや出産などによる身体の変化が原因で
発症する。
温度変化…季節の変わり目や熱いお風呂・サウナなどの温度変化により引き起こされる。
光や音の強い刺激…デパートなどの人ごみや騒音・まぶしい光が誘因で引き起こされる。
症状
・頭の片側または両側が脈を打つような(ズキンズキン)痛みで日常生活に支障が出る
・吐き気、胃のムカつき ・身体を動かすと痛みが強くなる
・閃輝暗点(火花が散る・ギザギザした歯車のような光が見え視界の一部がその光によって遮られる)
<緊張型頭痛>
原因
姿勢…長時間同じ姿勢で行うデスクワークやスマホ操作による眼精疲労、頭・首・肩の筋肉の緊張により
血行が悪くなり起こる。
ストレス…不安、緊張、仕事へのプレッシャーが精神的ストレスとなり発症する。
症状
・後頭部から首にかけての圧迫感 ・頭の両側が絞めつけられるような痛み ・首や肩、後頭部のコリ
・めまい
<群発頭痛>
原因
アルコール…群発期に飲酒すると、脳の血管が拡張し症状が強く出る。
気圧の変化…急激な気圧の変化は血管が拡張し頭痛を引き起こしやすくなる。
症状
・片方の目の奥からこめかみがえぐられるような突き刺すような激しい痛み、じっとしていられないほどの耐え難い痛み
・頭の痛みと同じ側の涙、鼻づまり、目の充血など
二次性頭痛
何らかの病気などが原因で引き起こされる頭痛を二次性頭痛といいます。特に見逃すと危険性が高い、病院での治療を必要とする頭痛があります。
頭痛を起こす主な病気
- くも膜下出血
- 脳腫瘍
- 脳出血
- 脳梗塞
- 慢性硬膜下血腫
- 脳動脈解離
- 髄膜炎
- 緑内障
- 副鼻腔炎など
頭痛を起こす主な病気の原因
歩行中や階段での転倒や運動中の激しい接触・交通事故などで頭を強打し外傷により頭痛を起こすもの、脳疾患や高血圧・糖尿病などの慢性疾患が引き金となって脳の血管が破れ・詰まることで起こる殴られたような今まで経験したことのない激しい頭痛は命に関わる危険性が高くなるものがあります。
頭痛を起こす主な病気の症状
突然の激しい頭痛、鈍い頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、痙攣、失禁、フラフラして歩行しにくい
・転倒しやすい・ぶつかりやすい
意識障害(ぼんやりしている、大いびきのような呼吸、突然意識がなくなるなど)
運動障害(身体の片側に麻痺、片側の手足のこわばり・力が入らないなど)
言語障害(ろれつがまわらない、言葉が出てこない、人の言うことが分からないなど)
感覚障害(身体の片側の感覚が鈍い・しびれ)
視覚障害(物が二重に見える、視野が半分欠けるなど)
頭痛には、日常でよく見られる一般的な頭痛と緊急を要する頭痛があります。
痛みの程度やそれに伴う随伴症状は個人差があります。
そのため、頭痛の原因を知ることはとても重要です。安易に自己判断で市販薬を使用したり放置したりすることで症状の原因や程度が分からなくなり、診断が遅れると後遺症などや生命に危険が及ぶ可能性があり、その後の日常生活が大きく影響されます。
早期発見・早期治療という言葉があるように、“ただの頭痛”と軽視せずに早めに医療機関を受診
しましょう。
当院での受診の流れ
当院では、内科を受診して頂きます。内科医より、症状の程度・随伴症状に基づいて診察を行います。
その上で、医師の指示のもとMRI/CT検査・血液検査を行っていきます。
症状、検査の結果にて急性期の脳梗塞や脳出血、緊急を要する診断をされた場合は専門の医療機関に紹介または搬送させていただきます。
診察の流れ
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- STEP1 診察
- 症状の程度、随伴症状に基づいて問診を行います。上記をふまえ、必要な検査を判断します。
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- STEP2 検査
- 症状、随伴症状に応じて、血液検査・心電図検査やCT・MRI検査等の画像診断を行い治療方針を決めます。
※MRI検査は予約状況や医師の指示にて当日の検査が行えます。
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- STEP3 治療
- 診断疾患に応じて、治療を行います。
慢性疾患や急性期疾患に対する薬物療法を行います。専門の医師による診察・治療が必要な場合は紹介させて頂きます。
1.診療の流れ
- 当院では、上記症状が出現した場合には内科を受診して頂きます。
- 内科医による、症状の程度や随伴症状に関する問診を行います。
- 問診や触診などの診察をふまえ、経過観察でよいのか、または必要な治療について判断します。
2.検査
- 症状に応じて、血液検査・心電図検査を行い治療方針を立てます。
- 症状、随伴症状により脳疾患や胸部・腹部疾患の疾患鑑別の為、レントゲン・CT・MRI検査等の画像診断を行います。
(MRI検査は予約状況や医師の指示にて当日の検査が行えます。)
3.治療
診断結果に応じて、保存療法と緊急性を伴い専門の医療機関へ紹介させて頂く方法に分かれます。
<保存療法>
生活習慣病などの慢性疾患(高血圧・高脂血症・糖尿病)、突発的な症状(風邪・頭痛・腹痛・下痢など)や大学病院からのフォローアップに対して薬物療法を行います。
また、症状に応じて点滴や注射を行います。
<専門の医療機関への紹介>
上記の治療により症状の改善が見込まれない場合や進行する場合、緊急性を伴う急性疾患や専門の医師による診察・治療が必要な場合は専門の医療機関に紹介させて頂きます。