肺炎球菌について
肺炎球菌とは

肺炎球菌感染症とは、硬い殻に覆われた菌(莢膜)に囲まれた「肺炎球菌」による感染症です。
主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3~5%の高齢者では、鼻や喉の奥に菌が常在しています。
これらの菌が体力の落ちている方や免疫の働きが充分でない、乳幼児や高齢者の方では、肺炎、気管支炎等の呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、敗血症などの疾患を引き起こす可能性があります。特に高齢者や基礎疾患(COPD・糖尿病など)がある場合には重症化し、致命率も高いので予防することが重要です。実際、日本の死亡原因の第5位は肺炎で亡くなる方の9.4%を占めます。
肺炎による全死亡者数の98%が65歳以上、肺炎で一番多い病原菌は肺炎球菌です。
近年では抗生物質の発達により減少しつつありますが、高齢者の感染では抗生物質が間に合わないことが少なくありません。事前に予防することの重要性が見直されています。
肺炎球菌による疾患の予防
- 規則正しい健康的な生活
- 手洗いうがいをする
- 禁煙をする
- 誤嚥を防ぐ
- 歯磨きなどで口の中を清潔にする
- 基礎疾患を治療する
- 予防接種……「肺炎球菌ワクチン」を接種しておくと、肺炎の予防や肺炎にかかっても軽い症状で すむ効果が期待されます
肺炎球菌ワクチンについて
肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされる様々な疾患を予防するためのワクチンです。
また、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し重症化を防ぎます。(※全ての肺炎を予防するものではありません)
接種をしてから免疫(抗体)ができるまで、平均で3週間ほどかかります。
1回の接種で5年間免疫が持続すると言われています。季節を問わず接種可能です。
使用ワクチン
ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)とプレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)の2種類があります。
当院では、23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを使用しています。
肺炎球菌ワクチンの接種が特に奨められている方
- 65歳以上の方
- 呼吸器に疾患をお持ちの方COPD(肺気腫・慢性閉塞性肺疾患)
- 糖尿病を治療中の方
- 慢性心不全の方
- 肝硬変など慢性肝疾患の方
- 免疫機能が低下している方
- 喫煙歴のある方
- 脾臓摘出などで脾機能不全のある方
- 養護老人ホームや長期療養施設などに居住されている方
※上記のような慢性疾患がある方は65歳未満でも接種が受けられます。
接種を受けることができない方
- 接種当日、明らかな発熱や体調が悪く医師が接種不可能と診断した場合
- 2歳未満の方
- 強いアレルギー体質の方(ワクチンの成分に対しアナフィラキシーなどの強いアレルギー体質の方など)
肺炎球菌ワクチンの副作用とは
接種後に注射部位の腫れ、発赤、痛み、発熱などがみられることがありますが、通常2~3日で治まります。
5年以内に再接種をすると、注射部位の疼痛・紅斑や硬結などの副反応が初回接種よりも頻度が高く程度が強く発現するとの報告があるため、再接種を行う場合は必ず5年以上の間隔をあけて行う必要があります。
接種した年月日の記録は必ずとっておきましょう。
肺炎球菌ワクチン予約
- 03-3910-3441
当院で肺炎球菌ワクチンを希望される方は、受付窓口、またはお電話にて予約が必要になります。
接種料金
1回 8,300円
※東京都北区に住所を有する、65歳以上の高齢者を対象とした区からの一部公費助成の予診票がありますので、北区役所に問い合わせてください。
各市区町村にて公費助成の有無や内容は異なります。
なお、過去に肺炎球菌ワクチンを接種された方は公費助成対象外です。
当院での受診の流れ
当院では、内科を受診して頂きます。来院後、最初に体温を測定します。診察にて持参された問診表に基づいて問診を行い、医師の指示のもと肺炎球菌ワクチン接種の有無を確認します。
接種日当日37℃以上の発熱をされている方や風邪症状のある方は、肺炎球菌ワクチンを接種する事ができません。

当院で肺炎球菌ワクチンを希望される方は、受付窓口、またはお電話にて予約が必要になります。
- お問い合わせ
- 03-3910-3441
- 平日:9:00~11:30、14:00~17:30
※北区に住所を有する、接種日現在で65歳以上の方は区から一部補助の予診票がありますので、北区役所に問い合わせてください。
なお、過去に肺炎球菌ワクチンを接種された方は補助対象外です。